サーバー・サイト運営

小規模法人・個人事業のWebサイト構成要件|企業サイトとメディアサイトの設計

Webサイトを作り始めると、デザインや制作サービスに目が向きがちです。しかし、その前に決めたいのは「誰に何を伝え、読んだ後にどう行動してもらうか」です。

合同会社イクシルでは、会社の事業や相談窓口を案内する企業サイトと、ITの選定・運用を解説するIXL Tech Mediaを分けています。本記事ではこの実例を交え、小規模法人・個人事業が制作前に整理しておきたい構成要件を説明します。

執筆:合同会社イクシル公開:/更新:

この記事の結論

最初に、サイトの目的、読者、必要ページ、問い合わせ方法、更新担当を決めます。企業サイトは会社と事業を理解してもらう場所、メディアサイトは読者の疑問に記事で答える場所として整理すると、情報の役割が明確になります。

Webサイトの公開、ドメインの管理、メールの送受信も別々の役割です。一括契約を前提にせず、必要な機能と運用条件を整理してからサービスを選びます。

1. 作る前にサイトの目的と読者を決める

誰が、何を確かめるために訪れるのか

「会社のホームページが必要」だけでは、掲載内容を決めにくくなります。取引を検討する人が事業内容を確認するのか、協業相手が専門領域を調べるのか、検索から来た人が技術的な疑問を解決するのかを整理しましょう。

たとえば企業サイトなら「支援できる業務を理解し、相談先を見つけられる」、メディアなら「自分の課題に合う記事を読み、次に確認する事項が分かる」と、読者の到達点まで書いておきます。

読んだ後の行動を一つ決める

各ページには、問い合わせ、関連情報の確認、次の記事の閲覧など、内容に合った導線を用意します。すべてのページで問い合わせを強く促す必要はありません。

合同会社イクシルの企業サイトは事業内容と問い合わせを案内し、IXL Tech Mediaは分野別の記事へ進める構成です。この役割の違いが、トップページに何を置くかを考える手掛かりになります。

2. 企業サイトとメディアサイトの構成を分ける

企業サイトは会社と事業の理解を支える

企業サイトでは、提供するサービス、会社概要、相談方法などを見つけやすくします。採用・協業や企業理念も、伝える必要がある場合に加えます。

合同会社イクシルの企業サイトでは、ネットワーク設計・構築支援、プロジェクト推進支援、技術提案・相談を示し、会社概要や採用・協業、お問い合わせへ案内しています。

メディアサイトは記事を探し、読める構成にする

メディアでは、記事が増えても目的の情報へたどり着けることが重要です。カテゴリー、記事一覧、個別記事、関連リンクに加え、運営者や編集方針も確認できるようにします。

IXL Tech Mediaは、サーバー・サイト運営、DNS・法人メールなどの分野別に記事を整理しています。個別記事では要約、目次、本文、参照先を示し、検索から直接訪れた読者にも内容と前提が伝わる構成です。

なお、二つの役割を持つために、必ずサイトを分ける必要はありません。記事が少ない段階では企業サイト内に読み物を置く方法もあります。分ける場合は、双方から運営主体と関連サイトの関係が分かるようにしましょう。

3. 必要なページと機能を決める

ページは読者の疑問から選ぶ

以下は構成を検討するための出発点です。ページ数を増やすこと自体を目的にせず、一つのページ内にまとめるかも判断します。

サイトの役割と掲載情報の例
役割掲載する情報の例
事業を理解するサービス内容、対応領域、相談できること
運営者を確認する会社概要、運営者情報
連絡する問い合わせ方法、受け付ける相談
記事を探すカテゴリー、記事一覧、関連記事
情報の扱いを確認する編集方針、広告表示、プライバシーに関する説明

問い合わせ導線は送信後まで考える

メールリンクなら、閲覧者のメールアプリから連絡する方式になります。フォームなら、入力項目、送信先、受信確認、迷惑送信への対応、情報の取扱いを決めます。

IXL Tech Mediaでは、合同会社イクシル公式サイトのお問い合わせページへ案内しています。メディア内に問い合わせ内容を入力・保存する機能はありません。問い合わせ先への移動に加え、受付側のフォームで送信・受信を確認し、誰が問い合わせを確認するか、不在時にどう対応するかまで整理しておきます。

検索、予約、決済、会員機能などは、必要性を確認してから追加します。機能が増えるほど、公開後に確認・管理する対象も増えます。

4. 更新・運用要件を決める

原稿作成から公開までの担当を決める

少人数で運営する場合も、「文章を用意する」「事実関係を確認する」「公開する」という作業を分けて考えます。一人が担当する場合でも、確認前の原稿と公開済みの内容を区別すると、誤掲載を防ぎやすくなります。

事業内容や連絡方法は変更時、製品仕様を扱う記事は関連情報の変更時など、更新のきっかけも決めておきましょう。

修正と引継ぎができる状態にする

制作データ、公開権限、利用サービス、更新手順を管理し、担当者が変わっても修正できる状態を目指します。PCとスマートフォンで文章・表・リンクが読めるかも公開前の確認項目です。

制作方式の比較は、既存記事「静的サイトとWordPress、企業サイトにはどちらが合うか」で解説しています。本記事では方式を先に決めず、更新する人と必要な作業を要件として整理します。

5. Web・ドメイン・メールの役割を整理する

同じ名前を使っていても役割は異なる

Web・ドメイン・メール・DNSの役割
要素担う役割
Webサイトの公開サービスページや画像を訪問者へ配信する
ドメインWebやメールで使う名前を管理する
メールサービスメールアカウントと送受信を提供する
DNSドメイン名と各サービスの接続先を対応付ける

ドメインを取得しただけで、サイトやメールが自動的に完成するわけではありません。Webとメールを別サービスで運用する場合は、それぞれに必要な接続設定を確認します。DNSの技術的な説明はDNSレコードの種類と役割、取得後の管理はドメインの所有・更新管理も参照してください。

必要なサービスと継続費用を分けて考える

Web公開サービスとメールサービスを分ける構成も選択肢になります。ただし、サービス間の併用条件や、必要な機能を満たせるかの確認が必要です。

費用も初年度だけでなく、継続利用する制作・公開サービス、ドメイン更新、メール、追加機能に分けて整理します。レンタルサーバー契約を省けても、運用全体が無料になるとは限りません。具体的な接続方法と費用の評価は後続記事で扱います。

6. 合同会社イクシルで採用した構成

企業サイトとメディアを別の入口にした

合同会社イクシルでは、企業サイトをixl.jp、IXL Tech Mediaをmedia.ixl.jpで公開しています。

企業サイトは会社・事業・相談窓口を中心に、メディアはITの比較・導入・運用を扱う記事を中心に構成しています。企業サイトからメディアへリンクし、メディア側でも運営者情報から会社を確認できるようにしています。

Web公開・ドメイン・メールを役割ごとに用意した

合同会社イクシルの構築では、ChatGPT SitesをWebサイトの作成・公開、お名前.comをドメイン管理、お名前メールを独自ドメインメールに利用しました。レンタルサーバーを別途契約せず、Webとメールをそれぞれのサービスで用意した実例です。

この構成をそのまま全事業者へ勧めるものではありません。予約や決済などの必要機能、更新担当、契約条件によって適した構成は変わります。本記事では実際に採用した役割分担を示し、操作・料金・メール・DNS設定の詳細は後続記事で説明します。

7. 制作前の要件チェックリスト

制作を依頼する前に、以下を短い文章で埋めてみてください。未決定の項目があれば、デザインより先に整理する判断材料になります。

  • 主な読者と、その人に伝える内容を説明できる。
  • 読後の行動を、問い合わせ・記事閲覧などに整理した。
  • 企業情報と記事を、同じサイトに置くか分けるか決めた。
  • 公開時に必要なページと、後から追加するページを分けた。
  • 問い合わせ方法、確認担当、不在時の対応を決めた。
  • 原稿作成・内容確認・公開の担当と更新のきっかけを決めた。
  • 制作データ、管理権限、修正・引継ぎ方法を整理した。
  • Web・ドメイン・メールの役割と管理者を把握した。
  • 継続費用、PC・スマートフォン表示、公開情報の確認を計画した。

8. 次の記事への案内

構成要件がまとまったら、次は制作と公開の流れを確認します。

続く記事「ChatGPT Sitesで会社のWebサイトを作成・公開する|合同会社イクシルの構築実例」では、要件の伝え方、生成後の修正、公開前の確認、既存サイトの更新を扱います。整理した要件をもとに、サイトの制作へ進みましょう。

ドメイン取得、お名前メールの初期設定、Webとメールを共存させるDNS設定は、その後の記事で順に説明します。

参照先と記事の範囲

  1. Google検索セントラル:SEOスターターガイド — 読者を念頭に置いた構成、論理的な情報整理、ページ間のリンクについて参照。サイト分離による検索順位向上は主張していません。
  2. MDN:ドメイン名とは — ドメイン名とDNSの基本的な役割について参照。